令和6年 鳥取県スキー連盟活動についてのご報告

2024.10.28  文責:医科学委員会委員長 川西

R5年11月11日(土)鳥取市

趣旨;簡単な脳の仕組みや脳とパフォーマンスの関係の解説、集中力トレーニングの重要性、自宅でできる簡単集中力トレーニング法の紹介

R5年12月9日(土)米子市

大会直前の自己コントロール法の紹介及び脳波測定

3.冬季国スポ帯同

R6年2月18日~24日

フィジカル及びメンタル面のメンテナンス

 ①フィジカル面

ア)筋出力バランスチェック及び調整

成年、少年全員チェック、内3名が左右不均等でしたので調整しました。

イ)腰痛

成年1名、少年3名が長時間の運転や転倒、持病の再発などで強い張りを訴えていました。筋弛緩法により張りは除去されました。1名、群馬での練習中の転倒が原因で本番直前に痛みが再発、痛み止めと筋弛緩法により何とかましにはなったようですが、100%でレースに臨むことはできなかった。

②メンタル面

ア)集中力トレーニングの導入

イ)脳波測定の導入

測定により5つのタイプ「緊張集中」「対象集中」「深いリラックス」「意識分散」「まどろみ」などが読み取れます。今回選手たちを測定した結果、「対象集中」は優位に出ていたものの全体的に「まどろみ」が検出され、また脳電圧(脳の活性状態=やる気レベル)が一般人よりも低いことが解りました。(次項で詳細を解説)

 ③まとめ

ア)18日の脳波測定データより、着目した点は脳電圧です。殆どの選手にシータ波「まどろみ」と脳電圧低下が検出されました。「まどろみ」とは眠りの波形と呼ばれ1ヶ月前から今日に至るまで睡眠不足や疲労の蓄積により脳が強制的にお休み状態に入ろうと言う意識を表し、脳電圧(モチベーション)も上がってこない状態と言えます。考えられる原因としては国スポ前の過密スケジュールかと思われます。何処かのタイミングでリフレッシュ休暇を入れると変わると思われます。

イ)宿の食事について、動物性タンパク質が極めて少ないように感じました。白米は空腹を満たしますが、炭水化物ではエネルギー補給にしかなりません。アルペンは無酸素系なのでタンパク質が重要です。しかも、過去1ヶ月の過密スケジュールによって筋肉内のグリコーゲンも分解され筋出力(パワー、踏ん張り)も低下していると思われます。国スポ期間中の食事ではタンパク質合成も追いついていないでしょう。結果的に本番で力が100%発揮できない原因となっていると考えられます。

ウ)脳波測定データより、集中力トレーニング前後の測定結果から全体的にペアPNFがより脳電圧を引き上げることが解りました。(チーク/個人の状態や環境によって異なる)よって朝食前のペアPNF(一点集中して最大筋力を出すペアストレッチのようなもの)とレース直前、スタート地点でも実施することが効果的であると思慮します。

4.ジュニアオリンピック帯同

R6年3月23日~27日

大会期間中に朝の集中力トレーニングや全体ミーティングでは「ゴールへの気持ちの持ち方」「インスペクションの精度」など考え方を含めたミニ勉強会を実施しました。

5.今後の活動について

上記内容を加味したアンケート調査や測定を実施した上でフィジカルトレーニング及びメンタルトレーニングの強化を計画的に実施致します。

以上